息子とnissen(ニッセン)
親愛なるnissen様
私の息子(現在小6)は、一年中「本」を持ち歩いています。確か、2歳の頃から「本」へのこだわりが始まりました。最初は、ハローページ、時刻表が好きだったと思います。公衆電話や本屋さんを見つけると、目の色を変えて突進し、店中の本を手あたり次第めくりまくっておりました。破いてしまわないようにフォローするのに本当に苦労しましたし、世の中から公衆電話と本屋さんが消えてしまえばいいのに!と恨み、買い物や外出が恐ろしくなった時期がありました。奥田健次先生に出会い、ご指導いただき、「目の色を変えて突進していく」ことがなくなった時、まるで魔法にでもかかったように感じたことを今でも忘れません。
さて、そんな「目の色を変えて突進していく」頃、あるとき本屋さんで息子は「ご自由にお持ちください」の表示と共に通販雑誌「nissen」に出会ってしまいました。
その時の息子の様子も、昨日のことのように覚えています。目の色がさらに変わったのです。「なんなんだこれは!?この理想の本はなんなんだ!?」みたいな衝撃的な表情でした。それ以来、息子のスーパーアイテムは「nissenのカタログ」表紙は「香里奈」で、それ以外の「本」は一切手に取ることはなくなりました。有難いことにフリーペーパーでして、定期的に巷に出回り無料で手に入る「本」のため、毎回新しい号が出回ると、家族総出で大量に回収するという、nissen様には大変申し訳ないことをしておりました。言い訳をすると、私はかなりnissenのお得意様ではありましたが (^^;)
息子の大好きなnissen(表紙は香里奈)は永遠に手に入ると思ってましたので、まさかモデルが変わったり、カタログの厚さやサイズが変わり、挙句の果てにネット通販が主流になり、カタログが出回らなくなるなんて夢にも思っていませんでした。
少しづつ蓄えていた自宅の在庫が少なくなり、最後の一冊になったら息子はどうなるんだろう?寝ても覚めても触り続けているnissenの代わりになる「本」なんてあるんだろうか?ととても不安になりました。
そこで、私はnissenのお客様相談室へお手紙を書いて送ったのです。ダメ元で。在庫があったら譲ってくれないかと。図々しさは天下一品と自負しております(笑)
すると、なんと、相談室の方からお返事が来たのです!!無料なのを良いことに、大量に持ち帰り無駄にめくって破いて、ご商売に不利益を与えていた我が家に向け、「有難うございます。息子さんに気に入っていただけて嬉しいです。」というお言葉と一緒に、「現在残っている廃盤のカタログをかき集めて息子さんのために定期的に送ります」というお約束のお返事を。嬉しかったってもんじゃありません!感激でしばらく興奮していました(^^♪
それから約束通り、3~4ヶ月に一度、息子宛に数冊の、いまだに見ると目の色を変えて興奮して眠れなくなるくらい大好きな「nissenのカタログ表紙は香里奈又はその次のモデルさん」が届きます。(その次のモデルさんの名前知らないんです(^^;))
今はあまりにも希少なため、本当に特別な時にしか息子に渡していません。お誕生日、クリスマス、入院の時だけです。それ以外は心配していたほどには苦労しなかった「他の本」を持ち歩いています。でもnissenと比べると明らかに「他の本」は軽んじているように思います(*_*) 送っていただいているカタログは、大切に保管しています。
nissen本社お客様相談室とのお付き合いは1年以上になりました。いつか息子を連れてお礼を言いに行きたいと思っていましたが、今年3月にとうとう実現しました!
nissen本社お客様相談室は京都の駅前にあります。半年に一度主治医のいる大阪まで定期受診しているため、その時に合わせて連絡を取らせていただきました!ここでも快くお受けいただき、毎回お心遣いのお手紙と共にカタログを送ってくださるご担当者の清水様に息子を合わせることが出来たのです。
息子といえば、どっちらけ~の子ですので、有難うも感激もありませんが、その日もカタログを手にしている息子を見て、目を細めながら、会いに来てくれて嬉しいと言って下さった清水様に、感謝の気持ちで涙が出そうになりました。本社の一室を準備したので寄って行って他のスタッフに会ってほしいと、これまた嬉しいお言葉をいただきましたが、新幹線の時刻が迫っていたため、ご挨拶だけで帰ってきました。
息子にまた新しい支援者が増えました。
しかも、清水様のお話では、我が家からのささやかな写真入りのお便りなどを社内でみんなが楽しみに待っているとか、自宅に眠っていたカタログを提供してくださる社員の方がいるとかで、大手企業のnissen社員の多くの方を巻き込んでいるようで、なんとも有難いような恐縮のようなことになっちゃってるようです。嬉しいですね。
待っていては何も始まらない。
行動しなければ、変わらない。
nissenのような大企業でも、一庶民の声を拾ってくれて、息子の幸せのために力になってくれる。世の中がこんなあたたかい企業で溢れてくれたらいいな。
母親として切に願う今日この頃でした。
中島美帆
クリスマスにサンタさんから届いた「nissen」と息子
nissenの社員の皆さま、心より感謝いたします (^^)/